ミラーレスカメラを購入するにあたり、何を比較して検討したらいいか迷いませんか?
購入するモデルを決めるにあたり、価格と重さという観点から特徴を整理して検討してみました。
カメラの軽さは正義です。軽いカメラを買って持ち歩きましょう。
ソニーのミラーレスカメラの特徴
ボディやレンズの種類が豊富
ソニーは、ミラーレスカメラの製造に関して、キャノンやニコンに比べて長い実績を持っているため、ボディやレンズの選択肢が非常に豊富です。
ソニーのホームページで掲載されている商品は、ミラーレスカメラのボディのモデルは12種、単焦点レンズは31種、ズームレンズは33種ありました。
これに加えて、レンズはSIGMAやTamronなどのサードパーティ製品もあります。
高いセンシング力・瞳オートフォーカス
ソニーのセンサーは非常に高精度であることが知られており、その技術を活かした非常に精巧な瞳オートフォーカス機能があります。
ポートレートでは瞳にフォーカスを当てることが基本的ですが、ソニーの瞳オートフォーカスはプロがフォーカスを合わせるのとそん色なく非常に速く、精巧にフォーカスを合わせることができます。
初めて瞳オートフォーカスを利用したときは、その速さと精度に感動をした記憶があります。
動画撮影向けも強い
映像に関しての経験も豊富で、ミラーレスカメラでも動画を撮ることも想定し、機能が詰め込まれています。
写真メインで利用したいけれど、動画もチャレンジしてみたいという人にも向いていると思います。
ソニーのミラーレスカメラの選び方
スペック表で何を比較していいのか…
ミラーレスカメラを購入しようと考えたのでスペック表を眺めてみると、とても多くの情報が記載されています。
センサーサイズがフルサイズかAPS-Cか、画素数がどのくらいか、ISOの最大値はいくつか、連写速度はどのくらいか…といった項目であればわかりやすいもののの、検討項目は非常に多岐にわたります。
ソニーのページでは、特徴でフィルターをかけて検索することもできますが、なにを重視して検討をしたらいいのか、初心者には悩ましいところです。
本質的には自分が撮りたいもの(動きの速いスポーツ、風景、暗いところでの夜景など)をメインに考えればよいと思うのですが、初心者向けに、ざっくりと価格と重さという観点でカテゴリー分けをして考えてみました。
価格×重さの分類
検討軸の考え方
初心者にとって重要な要素として、今回はボディの「価格」と「重さ」を軸としました。
価格については、初心者がいきなり50万円超のカメラを購入するのは難しいと思いますので、製品検討の際の最も重要なポイントでしょう。
また、重さについては、購入した後にカメラを持って出かけることが嫌にならないという意味で非常に重要な要素であると考えています。
なお、厳密に考えると、重さと価格は相関があると考えられますので(重いほど様々な機能を詰め込んだ高スペックと考えられ、その分、価格も高くなる)、軸として採用するにはイマイチかもしれませんが、あくまで簡易的な指標として考えていただければと思います。
また、それ以外のスペックについては、極論を言えば、どのカメラでもスマホよりきれいに撮れる可能性が高いですし、例えば、高画素モデルを比較をしたとしても、スマホ画面で利用するライトユーザーであれば、違いはほとんどないに等しいのではないかと思い、初心者の悩みを解決するべく、思い切った内容である点ご理解ください。
3つのカテゴリー
現行のモデルを価格と重さでプロットした図は下記になります。
初心者目線では、「ハイアマチュア」、「セミプロ」、「プロ」、の3つカテゴリーに分けて考えたいと思います。
ハイアマチュア向けは価格帯が比較的安く、重さも軽いモデル群となります。
セミプロ向けは、重量が比較的重く、そして機能に応じて価格差が多様なモデル群となります。
プロ向けは、価格、重さ共に飛び抜けているモデル(α1のみ)となります。
※ソニー公式ページでは、「プロフェッショナルモデル」、「ハイアマチュアモデル」、「エントリーモデル」といった分類が使用されていますが、価格と重さで特徴の近いカテゴリーを分類し、今回は上記のように名前を付けています。
分布の特徴としては、重さとしては、450~550gの中間ポジションの機体が存在しないことや、価格帯として、プロ向けのα1が飛び抜けているようです。
選抜条件
プロットしたモデルを選抜していきます。初期的に、以下の観点で考えます。
- 発売年
- 初心者向け・写真
発売年
今回は、発売が2018年以降(発売後4年以内)のモデルを選抜します。
家電などの世界は技術が日進月歩であり、新しいモデルはオートフォーカスの性能などもかなり進歩していると考えられます。そのため、古すぎるモデルは検討対象から外すことにしました。
例えば、2018年に発売されたiPhoneのモデルはXSで、2017年はiPhone 8です。iPhone 8も使いやすいですが、少し古いモデルになってきているというのはみなさんもイメージいただけるのではないでしょうか。
発売年で選抜落ちしたモデル
- α9(2017年4月発売)
- α7 II(2014年11月発売)
- α7S(2014年5月発売)
初心者向け・写真
今回は、初心者向けということで、プロフェッショナル向けのモデルを除きました。
また、自分は写真がメインなので、動画撮影に特化しているモデルも除きました。
初心者向け・写真で選抜落ちしたモデル
- α1(プロフェッショナル向け)
- ZV-E10(Vlog向け)
選抜結果
1次選抜を通ったモデルをプロットすると以下のようになります。
ハイアマチュア向けは3つのモデルが、セミプロ向けは7つのモデルが残りました。
2次選抜として価格でざっくりとラインを引く(例:30万円以下)、あるいは「ハイアマチュア向け」と「セミプロ向け」に分けて、それぞれ機能面などの比較をしていくこともできますが、初心者という視点では、特に重さという観点を重視して、ハイアマチュア向けモデルをおすすめしたいです。
ハイアマチュア向けモデルの検討
ハイアマチュア向けモデルは、以下が該当します。
- α6400(イメージセンサー:APS-C)
- α6600(イメージセンサー:APS-C)
- α7C(イメージセンサー:フルサイズ)
なお、自分はα6400を現在使っているので、ステップアップとしてのα6600は、あまり変わり映えがしないので、α7Cということで即、決着がつきました…(笑)
一応、以下に性能を簡単にメモしておきます。
α6400
これ、本当にいいカメラです。
とにかく小さくて軽くて持ち運びに最高です。レンズをつけても700gくらいの重さです。
唯一の欠点はバッテリーサイズが小さいため、すぐに電池が切れます。
ただ、予備バッテリーを用意すれば解決できます。
α6400を中古で購入して、安く始めるという選択肢もありでしょう。
α6600
α6400の後継機です。いくつか追加機能があり、お値段も少し高くなっています。
α6400からの買い替えを検討した際に気になった変更点としては、以下です。
- 全体的に一回り大きくなった(グリップはよくなった)
- バッテリーが強化された(その分重くなった)
- ボディ内手振れ補正機能がついた
ボディ内手振れ補正機能については少し悩ましいところです。
最近のレンズは、カメラ本体に手振れ補正機能があることから、レンズ内手振れ補正機能をなくすことによって軽量化をしています。
そのため、ボディにもカメラにも手振れ補正がない組み合わせになってしまうと、特に初心者の人は、ブレた写真が多くなってしまうのでは、という危惧もあります。
ここは予算との兼ね合い次第と思います。
α7C
フルサイズの超コンパクトミラーレスカメラです。
ソニーの商品紹介ページのメッセージ(最も伝えたい大事なこと)はこちらです。
もっと自由なフルサイズへ。世界最小・最軽量フルサイズミラーレス一眼カメラ
出所:ソニーホームページ
フルサイズを気軽に持ち運べるようなコンパクトさを追求したカメラでしょう。
センサーサイズが大きいので暗いところでの撮影にも強いですし、あこがれのフルサイズといった感じですね。
今回は重さを判断軸としたので、細かいスペック情報を言及するつもりはありませんが、個人的にα6400からの乗り換えでいいなと思った点は以下です。
- 憧れのフルサイズ
- 光学式5軸ボディ内手ブレ補正
- バリアングル液晶モニター
- 高容量バッテリー
もちろんマイナス要素の気になる点もありますが、すべて一長一短なので、今回は省略します。
なぜそこまで重さにこだわるのか?
せっかく、カテゴリー分けしたのに、「結局、重さか」、と思う人もいらっしゃるでしょうけど、これカメラを始める人にとっては本当に重要なことだと思います。
ミラーレスカメラを買った人が、カメラを持ち歩かなくなる要因のひとつが「重いから」なのです。
自分も以前、フルサイズカメラに広角から望遠まで撮影できるズームレンズを購入しましたが、重くて使わなくなった経験があり、なんとかカメラを持ち出そうと、軽い単焦点レンズにハマっている時期もありました。
レンズも重い
フルサイズカメラが550g~600gぐらいで、APS-Cカメラが400gぐらいで、大して変わらないと思われる人もいるでしょうが、これにレンズの重さが加わります。
特にフルサイズカメラは、その性能を活かすためにレンズのサイズも大きく、重いものが多いです。
筆者の好きなZEISSレンズで同じような焦点距離を比較してみると、APS-C専用のVario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSSは重さが約308g、フルサイズ専用のVario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSSは重さが約426gとなっており、120g程度の違いがあります。
上記のZEISSのレンズは標準ズームレンズの中では最も軽い部類ですが(軽さも重要視して購入したため)、その次に軽いものでもSEL24105G FE 24-105mm F4 G OSSで、レンズの重さが663gもあります。
一式でさらに重い
フルサイズカメラ(重さ550g~600g)に標準ズームレンズ(仮に上記のZEISSの426g)を装備すると合計で、ほぼ1kgになります。これは最も軽い部類のセットです。
カメラが1kgを越える場合は、比較的しっかりしたストラップをつける必要があるので、そういった重さもあるでしょう。
また、予備バッテリーや、フィルターなど細かいものを入れると合計で1.5kgくらいの荷物にはなるでしょうか。
重たいカメラセットを頻繁に持ち歩くのは意外と大変で、せっかく買ったのに家で眠っているなんてことも頻繁にあります。
なので、カメラを始める人には、気軽に持ち歩いて欲しいという思いから重さを重視しています。
セミプロ向け機材の検討
一応、セミプロ向けモデルの調査した結果をさらりと書いておきます。
価格という観点では、セミプロ向けモデルは高額なので、予算で30万円以下(α7R III、α7 IV、α7 III)のように選抜するのもよいと思います。
機能で考えるならば、ソニーのミラーレスカメラは、以下の5つの分類がされています。簡潔に特徴と向いている用途を書いておきました。
- スピード
⇒万能な最上位モデル。特に、動きの速い動物やスポーツ撮影など
- 高解像度(7Rシリーズ)
⇒ポスターなどに拡大、切り抜きする風景写真など
- 高感度(7Sシリーズ)
⇒暗所。夜の屋外(アウトドア、キャンプ)など
- ベーシック(7シリーズ)
⇒コスパ高いモデル
- コンパクト(7Cシリーズ)
⇒軽い(ハイアマチュア向けで説明済み)
それぞれの用途に応じた機材を選択することがよいと考えます。
スピード:α9 II
新しい技術である積層型センサーを搭載しているモデルで、α1やα9 IIが該当します。
ダイナミックレンジの拡大、夜景などの暗所撮影時に発生しやすいノイズを大幅に低減できるようです。
また、無音・無振動での秒速20コマの高速連写や最高1/32000秒の超高速シャッターを実現しています。
特に、動きの速い動物撮影やスポーツ撮影などに向いています。
今回の分類では、α9 IIが該当します。
ソニーの商品紹介ページのメッセージ(最も伝えたい大事なこと)はこちらです。
プロフェッショナルの要望に応え、大幅なワークフロー改善と操作性向上を実現したフルサイズミラーレス一眼カメラ
出所:ソニーホームページ
連写速度やそれを処理する速度などが向上したプロ向けとなっています。
高解像度(7Rシリーズ):α7R V
製品名に「R:Resolution」の名前が入ったシリーズで、α7R V、α7R IV、α7R IIIが該当します。
高解像度のため、写真の一部をトリミングして利用したり、引き延ばしてA0やA1サイズなどの大きなポスターなどに利用することもできるような性能を持っています。
細かい描写を求める風景写真などにもいいと思います。
現行の最新機種はα7R Vです。
ソニーの商品紹介ページのメッセージ(最も伝えたい大事なこと)はこちらです。
知性を手にした、新次元AF。有効約6100万画素、最新世代の画像処理エンジン、AI処理に特化したAIプロセッシングユニットを搭載したフルサイズ一眼
出所:ソニーホームページ
最近のスマホは1,000~1,200万画素のようなので、いかに高画素機かがわかるでしょう。
高感度(Sシリーズ):α7S III
製品名に「S:Sensitivity」の名前が入ったシリーズで、α7S IIIが該当します。
ISO感度が1万を超えるような高感度での撮影もノイズが少なく、強いとされています。
個人的には、そこまでの高感度で撮影するシーンはあまりイメージできませんが、暗所や夜の屋外、例えばキャンプなどでの撮影に向いているかもしれません。
あと、ユーザーの利用情報などを見ていると、動画撮影性能が非常に高いそうですので、動画メインで利用する人には向いているかもしれません。
現行の最新機種はα7S IIIです。
ソニーの商品紹介ページのメッセージ(最も伝えたい大事なこと)はこちらです。
35mmフルサイズ裏面照射型CMOSセンサー、画像処理エンジンを刷新し、4K120p動画記録を実現したフルサイズ一眼
出所:ソニーホームページ
やはり、動画撮影を強みとして謳っていますね。
ベーシック:α7 IV
製品名の7の後に「S」や「R」の名前が入らないシリーズで、α7 IV、α7 IIIが該当します。
ソニーとしては看板機種としての位置づけで、最新機能が搭載されているモデルですが、価格は抑えめのコストパフォーマンスが高いモデルになっています。
現行の最新機種はα7 IVです。
ソニーの商品紹介ページのメッセージ(最も伝えたい大事なこと)はこちらです。
「Beyond Basic」次代の、新基準へ。有効約3300万画素のフルサイズ裏面照射型CMOSセンサー、最新世代の画像処理エンジンを搭載したフルサイズ一眼
出所:ソニーホームページ
格別の高解像度や高感度が必要ない人にとっては、バランスの取れたモデルと思います。
セミプロのシリーズが決まったら、モデルを決める
ソニーの特徴として、最新モデルが発表されたのちも、古いモデルを購入することができる点があります。
古いモデルは性能が少し劣ることなどから、最新モデルより安い価格で購入することができます。
例えば、高解像度の7Rシリーズでは、現在α7R V、α7R IV、α7R IIIを入手できますが、 値段には10万円ずつほど差があります。
モデル | 価格 | 発売日 |
---|---|---|
α7R V | 479,914円 | 2022/11/25 |
α7R IV | 329,014円 | 2021/6/4 |
α7R III | 239,712円 | 2021/6/4 |
なお、α7R IVの当初の発売は2019年9月6日、α7R IIIは2017年11月25日で、マイナーアップデートをされた改良版の発売日となっています。
古いモデルも性能としては問題なく現役で利用できるので、性能を詳細に見比べて、予算との兼ね合いで購入機種を決めるとよいと思います。
購入モデルが決まったら実機を確認しよう
これは言わずもがなですが、実機を触ってみることは大切です。
例えば、コンパクトモデルは、どのくらい小さいのか、小さい反面グリップは問題ないか(手の大きい人は持ちづらくないか)などは確認する必要があります。
個人的には、ファインダーを覗いた雰囲気とか、シャッター音(電子シャッターでオフにしてしまうことも多いですが)とか気になりますね。
横並びで比べてみると、あっちのモデルがいい!とかいろいろ迷うと思いますが、それもいいと思います。
結局、カメラを持った時にテンションが上がるか、持ち出したくなるか、というのが大事だと思います。
まとめ
カメラの軽さは正義です。軽いカメラを買って持ち歩きましょう。
なお、今回はボディのみとしていますが、個人的にはキットレンズはあまり性能がよくないので、別途レンズを購入することをおすすめします。
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参考文献
ソニーホームページ
https://www.sony.jp/ichigan/lineup/
世界初2層トランジスタ画素積層型CMOSイメージセンサー技術を開発
https://www.sony-semicon.com/ja/news/2021/2021121601.html
カカクドットコム
https://kakaku.com/camera/mirrorless-slr/itemlist.aspx?pdf_ma=76&pdf_Spec112=2
今回はここまで~。最後まで読んでいただいた方ありがとうございました!
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